競技かるたには、選手の実力を示す「級位」と「段位」という二つのものさしがあります。級位はA級からE級までの5段階、段位は初段から十段までの10段階です。本記事では、全日本かるた協会が認定する段位の仕組みと、A級からE級までの各級との対応、そして昇段に必要な成績までを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
競技かるたの段位とは全日本かるた協会が認定する実力の証
段位とは、競技かるたの選手がどれだけの実力を持つかを示す等級のことです。初段から始まり、二段、三段と上がっていき、最高位は十段とされています。数字が大きいほど上位にあたります。認定しているのは、競技かるたを統括する一般社団法人全日本かるた協会です。このうち、大会成績によって実力で昇段できるのは八段までとされ、九段と十段は競技の普及に貢献した功労者へ贈られる特別な段位となっています。
段位早わかり
競技かるたの段位 早わかり
- 認定団体:一般社団法人全日本かるた協会
- 級位:A級からE級までの5段階
- 段位:初段から十段までの10段階
- 実力で昇段できるのは八段まで
- 九段と十段は功労者へ贈られる段位
百人一首と競技かるたの違い
そもそも百人一首は、100人の歌人の和歌を一首ずつ集めた歌集そのものを指す言葉です。一方の競技かるたは、その小倉百人一首の札を使い、札を取る速さを競うスポーツ性の高い競技をいいます。競技では、読まれた歌を最後まで聞かず、上の句の冒頭だけで札を見分けるための決まり字を覚えることが、上達の大きな鍵になります。漫画やアニメのちはやふるをきっかけに、この競技を知った人も少なくないでしょう。
A級からE級までの級位と段位の対応
級位は、選手が大会に出場するときのクラスを表すものです。A級が最上位で、E級が初心者向けのクラスにあたります。段位を持たない無段の人は、おもにE級やD級の大会から挑戦していくことになります。どの級の大会に出場するかは、おおむね持っている段位によって決まります。一般的に、級位と段位は次の表のように対応しています。
| 級位 | 対応する段位 | 位置づけ |
|---|---|---|
| A級 | 四段以上 | 最上位のクラス |
| B級 | 三段(参段) | 上級者 |
| C級 | 二段(弐段) | 中級者 |
| D級 | 初段 | 初級者 |
| E級 | 無段 | 初心者 |
この対応関係は2020年4月の基準改定によって整理され、E級が無段を、D級が初段を示す形になりました。そのため、自分が持っている段位から、どの級で戦えるかをおおよそ判断できます。級位はいわば出場クラス、段位は積み上げてきた実力の証といえます。
どの級の大会に出場できるのか
実際にどの級の大会へ出られるかは、原則として自分の段位に対応した級が基準になります。たとえば初段の選手はD級、二段の選手はC級が中心のクラスです。ただし、一つ上の級の大会へ挑戦できる場合もあり、そこで好成績を収めれば昇段資格につながります。はじめて大会に出るときは、まずE級やD級から経験を積んでいくのが一般的な流れです。
A級のすごさとタイトル大会への道
A級は、四段以上の実力者が集まる最上位のクラスです。ここへ上がるには、B級で優勝するか、準優勝を2回するといった高いハードルを越えなければなりません。同じA級のなかでも、五段から八段へと実力に応じてさらに細かく分かれています。A級に到達できるのは競技者のなかでも限られた層とされ、名人戦や選手権などのタイトル大会への出場資格を得られます。A級選手は、競技かるたにおけるトップ選手と呼べる存在です。
昇段はどのように決まるのか
段位は、全日本かるた協会が主催または公認する大会での成績に応じて上がっていきます。後援大会の成績は対象になりません。基本的には、下位の級で定められた成績を収めると、一つ上の段位への昇段資格が得られる仕組みです。なお初段などは、所属する会の代表者や都道府県のかるた協会の代表者が、実力相応と認めることで取得できる場合もあります。
段位ごとの主な昇段条件
実力による昇段のおもな条件は、次の表のとおりです。初段から参段までは、申請日を基準に過去2年度の成績を使えるとされています。なお各級の3位入賞とは、ベスト4に入ることを意味します。どれか一つの条件を満たせば、昇段を申請できるようになります。
| 段位 | おもな昇段条件(実力による昇段) |
|---|---|
| 初段 | E級で3位入賞など |
| 弐段 | D級で3位入賞など |
| 参段 | C級で優勝または準優勝など |
| 四段 | B級で優勝、またはB級準優勝2回 |
| 五段 | A級優勝1回やA級3位入賞3回など |
| 六段から八段 | 名人位やクイーン位の獲得や全国大会優勝など |
五段より上を目指すには、A級の大会で優勝や上位入賞を積み重ねる必要があります。さらに上位になると、名人位やクイーン位の獲得、全国規模の大会での複数回優勝といった、きわめて高い条件が課されてきます。
九段と十段は功労者に贈られる段位
前述のとおり、実力で到達できるのは八段までです。九段と十段には、大会成績による昇段基準は設けられていません。これらは、競技かるたの発展へ長年にわたり貢献した人に贈られる、名誉ある段位とされています。認定の形式も段位ごとに異なっており、たとえば十段には推挙状が出されます。
競技かるたの頂点にある名人位とクイーン位
A級の頂点に位置するのが、男性の日本一を決める名人位と、女性の日本一を決めるクイーン位です。両者の決定戦は、毎年1月に滋賀県の近江神宮で行われます。名人とクイーンはそれぞれ男女の別で日本一を競うため、どちらが強いかを単純に比べるものではありません。トップ選手の実像については、競技かるたのプロ選手の年収や、歴代のかるたクイーンを紹介した記事もあわせてご覧ください。
段位を申請するときの流れと費用の目安
段位は条件を満たしても自動では上がらず、本人が申請して初めて認定される点に注意が必要です。申請は、協会に登録された会や、都道府県のかるた協会を通して行うのが一般的です。段位料の目安は、初段から参段までが1万円、四段で1万5000円と、上位の段ほど高くなっていきます。金額は改定される場合があるため、申請の前に最新の情報を確認しておくと安心でしょう。
まとめ
競技かるたの段位は、初段から十段までで実力を表し、A級からE級までの級位と対応しています。実力で届くのは八段までで、昇段は公認大会での成績によって決まる仕組みです。段位と級の関係を知っておくと、観戦がいっそう楽しくなり、自分の目標を立てるときの目安にもなるはずです。








