皆さんはトランプゲーム『トレックス』を知っていますか?ヨルダンやパレスチナ、サウジアラビアのような中東の国々で盛んにプレイされているゲームです。いろいろな種類のゲームを選択して合計点を競うゲームで、今回はそんな奥の深いゲームであるトレックスの詳しいルールや遊び方を紹介していきたいと思います。
【トランプ】トレックスってどんなゲーム?
トレックスは、4人専用の個人戦トランプゲーム。通常のトランプ52枚を使い、5つの異なるルール(ミニゲーム)を順番にプレイして、最終的な合計得点を競います。プレイ人数は4人で使用カードはジョーカーを除いた52枚を使います。また所要時間は約30〜45分ほどとかなり長い時間となっており、歯ごたえのあるゲームが楽しめます。
トレックスの基本ルール
トレックスは4人専用のトランプゲームです。親(ディーラー)はランダムでも、じゃんけんでもOK。以後、時計回りに親が交代していきます。通常のトランプ52枚(ジョーカーなし)をよくシャッフルし、全員に13枚ずつ配布します。 親)は5つの中からまだプレイされていないゲームを1つ選びます。すでにプレイしたゲームは選べません。全5ゲームを1回ずつ行うと1セット終了です。ゲームが決まったら、13回のトリック(勝負)を行います。最初のトリックは、クラブの2(♣2)を持っている人から開始するのが一般的です(ローカルルールあり)。その後は前のトリックで勝った人が次のリード(最初に出す)を担当します。トリックの流れはリードプレイヤーが好きなカードを1枚出す(スートは自由)。他の3人は同じスートがあれば必ずそれを出す(フォロー)。出せない場合は、別スートを出してOK(そのゲームによっては戦略的に使う)。同じスートの中で最も強いカードを出したプレイヤーが「勝ち(トリック取得)」。勝ったプレイヤーが次のリードを担当するという形です。点数を集計し5つすべてのゲームがおわったさいに最も多い点数を持っていた人の勝ちです。
ゲームの進め方
トレックスは、King of Hearts、Diamonds、Girls(Queens)、Collections(Tricks)、Trex(ドミノ)の5つのゲームを1セットとして構成されています。4人のプレイヤーが順番に「親(ディーラー)」を担当し、それぞれ好きなゲームを1つ選択します。5ラウンド(全ゲーム)終了後、合計得点が最も高い人の勝利です。
各ゲームのルール詳細
トレックスは、5つの異なるミニゲームを1セットとして遊ぶ、非常にユニークなトランプゲームです。 それぞれのゲームには独自のルールと得点計算方法があり、プレイヤーは手札や状況に応じて戦略を切り替える必要があります。ここでは、それぞれのゲーム内容を詳しく解説します。
King of Hearts
このゲームの目的はハートのキング(♥K)を取らないことです。♥Kを取ってしまったプレイヤーは、−75点のペナルティ。他のカードをいくら取っても点数には影響なし。♥Kが場に出てくるタイミングと、その流れを誰に取らせるかが勝負の分かれ目になります。このゲームでは、♥Kを含むトリックを避けるため、カードの出し方や順番管理が非常に重要になります。「押し付けられる前に逃げる」もよし、「誰かに押し付ける」もよし の巧妙な駆け引きが魅力のゲームです。
Diamonds
ダイヤモンドでは、ゲーム中に出されたカードの中から最も強いカードを出した人がその回のカード(トリック)をすべて取ります。しかし、取ったカードの中にダイヤのカード(♦)が含まれていると、1枚につきマイナス10点になります。たとえば、1回のトリックで♦Kと♦3を取ってしまったら、それだけで−20点となってしまうのです。13枚すべてのダイヤを取ると−130点。これが「ダイヤモンド」の恐ろしさです。
Girls(Queens)
この契約では、13枚の各スートにあるクイーン(Q)カードを取ってしまうと、1枚につき−25点のペナルティとなります。4枚すべてのクイーンを取ってしまうと、−100点という大きな失点になる可能性もあります。取ると減点になるカードはクイーンだけで、それ以外のカードには得点・減点はありません。また、特定のルールセットでは「全てのクイーンを意図的に取った場合(=シュートザムーン的なプレイ)」に、逆に+100点などのボーナスルールを設けることもありますが、基本ルールでは単純にマイナス計算です。
Collections(Tricks)
トレックスには5つの契約があり、そのひとつがCollections(コレクションズ)、別名Tricks(トリックス)と呼ばれるゲームです。この契約では、他の多くのトリックテイキングゲームとは逆に、トリックを取らないことが目的になります。プレイヤーは順番にカードを1枚ずつ出し、最初に出されたカードと同じスート(マーク)を持っていれば、それに従う必要があります(これを「フォロー」と言います)。もしそのスートを持っていなければ、どのスートでも出すことができます。4人のプレイヤーが1枚ずつ出した合計4枚のカードの中で、フォロースートの中で最も数字が大きいカードを出した人が、そのトリックを「取った」とみなされ、場のカードを受け取ります。このトリックを1つ取るたびに、−15点のペナルティが加算されます。つまり、できるだけトリックを取らないようにカードを出すことが、このゲームの鍵となります。
Trex
Trex(トレックス)は、他の4つの契約(キングオブハート、ガールズ、ダイヤモンド、コレクションズ)とは大きく異なり、トリックテイキングではありません。代わりに、カードの階段(連番)を出していくスピード勝負のゲームになります。自分の手札を誰よりも早く出し切ることが目的となっており、カードを出し切った順番に応じて得点がもらえます。
まとめ
今回はトランプゲームのトレックスというについて紹介していきました。トリックテイキングやスピード勝負など、毎回異なる契約で展開されるこのゲームは、戦略性と駆け引きが絶妙に組み合わさった奥深い内容となっています。家族や友人とじっくり楽しみたい人にも、真剣勝負を好む上級者にもおすすめできるTrex。あなたもぜひ、この中東発の知的カードゲームにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?