花札といえば日本の伝統的なカードゲームをイメージする方が多いですが、実は韓国にも似たような花札があり、独自のゲームがあります。その代表格のひとつが「ソッタ(섯다)」で、韓国ドラマや映画の中でも登場することがあり、現地では若者にもとても人気なカードゲームです。
今回は、この「ソッタ」とはどんなゲームなのか、ルールや遊び方をわかりやすく紹介していきます。花札ゲームとして、日本のおいちょかぶに近い部分もあるので、日本人にも馴染みやすいかもしれません。
韓国花札のソッタとは?
韓国の花札(화투=ファトゥ)を使って遊ぶ「ソッタ」はポーカーに似た伝統的なカードゲームです。ソッタ(섰다)という名前には、プレイ中に賭けに意気込む時の「ソッタ(섰다=立った)!」という掛け声に由来すると言われています。
日本の花札で遊ばれるおいちょかぶやポーカーに近いゲーム性を持ち、手札2枚で役を作り、その強さを競うというシンプルさが人気の理由。2人から10人まで一度にプレイができ、韓国では親しい仲間や家族で遊ばれることも多く、お正月や旧正月などの集まりで盛り上がる定番ゲームになっています。
韓国花札ソッタのルール
韓国花札のソッタで使用するカードは、花札48枚のうち、柳と桐およびカス札を除いた20枚のみで、その他にポットに追加するチップを用意します。2枚の札の組み合わせによって勝負をつけ、もっとも強い手を揃えたプレイヤーが勝者となり、ポット内のチップを総取りできます。
韓国花札ソッタの役一覧
ソッタの役は月の組み合わせによって強さが異なり、下記のようなものがあります。一覧にして紹介していきます。
クァンテン
2枚とも光札のときの役を「クァンテン(광땡)」と呼びます。最も強い役の組み合わせですが、柳と桐を除いているため、光札は全部で3枚のみ。
役名 | 説明 |
サムパルグァンテン(삼팔(38)광땡) | 桜に幕+芒に月の組み合わせで、最強の役 |
イルパルグァンテン(일팔(18)광땡) | 松に鶴+芒に月の組み合わせ |
イルサムグァンテン(일삼(13)광땡) | 松に鶴+桜に幕の組み合わせ |
テン
2枚の手札がどちらも同じ月であった場合を「テン(땡)」といい、クァンテンの次に強い役です。テンを複数のプレイヤーが出した時では、月数の大きいほうが強い役となります。最強は紅葉(10月)のペアで、これを「チャンテン(장땡)」と呼び、1月のテンは「ピンテン(삥땡)」となり、テンの役では一番弱い組み合わせ。
10月 | チャンテン(장땡) |
9月 | クテン(구땡) |
8月 | パルテン(팔땡) |
7月 | チルテン(칠땡) |
6月 | ユクテン(육땡) |
5月 | オテン(오땡) |
4月 | サテン(사땡) |
3月 | サムテン(삼땡) |
2月 | イテン(이땡) |
1月 | ピンテン(삥땡)またはイルテン(일땡) |
その他の役
異なる月同士の組み合わせでも役ができますが、テンよりは弱い役。上から順に強い役です。
1月+2月の組み合わせ | アッリ(알리) |
1月+4月の組み合わせ | トクサ(독사) |
9月+1月の組み合わせ | クッピン(구삥) |
10月+1月の組み合わせ | チャンピン(장삥) |
10月+4月の組み合わせ | チャンサ(장사) |
4月+6月の組み合わせ | セリュク(세륙) |
カボ
2枚の手札の月数を足し、合計が9になる組み合わせを「カボ」といい、「せリュク」の次に強い組み合わせとなります。この場合、月数の合計は一桁目のみを数え、例えば9月と10月を足した場合は19ではなく、9で「カボ」の役です。
クッ
手札を組み合わせても何も役がない場合は、2枚の月の合計の1の位で比較し、この役を「クッ(끗)」といいます。合計の1の位が0の場合は「マントン(망통)」と呼びます。
特殊役
地域差がありますが、上記に紹介した役以外にも特殊役があるので、いくつか紹介します。
テンジャビ(땡잡이) | 桜に幕+萩に猪のペア。1テンから9テンより強いが、チャンテンとクァンテンより弱い役。 |
アメンオサ(암행어사) | 藤に時鳥+萩に猪のペア。1・8クァンテンと1・3クァンテンより強いが、3・8クァンテンより弱い役。 |
クサ(구사) | 4月+9月のペア。テン以上の役を持つ人がいないときに、その回の勝負を流すことができる特殊役。 |
モントングリクサ(멍텅구리 구사) | 藤に不如帰+菊に盃のペア。クァンテンの役を持つ人がいないときに、その回の勝負を流すことができる特殊役。 |
基本的に光札が最も強く、その次にペアの月数が大きいほど強いというシンプルな順位になっていますが、特殊札が揃った時は逆転を狙える可能性も。
また、同じ数字ペア以外が手札にあっても「カポ」や「クッ」を狙える可能性があるので、冷静に勝負することが勝利の秘訣かもしれません。
韓国花札「ソッタ」の遊び方
韓国花札のソッタの遊び方はポーカーのようにとてもシンプルで、誰でも遊ぶことができます。順番に親を変え、チップを賭け、一番強い手札を持っていプレイヤーが手札を披露し、チップを総取りできます。以下にゲームの遊び方を簡単にご紹介。
- 親を決める:ゲームの進行役となる親を決める
- ベット(賭け):全員が、あらかじめ決めた額のチップを場に出す
- 札を配る:プレイヤー全員に2枚ずつ、裏向きで札を配る
- コール(参加):自分の手札を確認し、ゲームへの参加・不参加を決める
「콜(コル)」:ゲームに参加し、同額のチップを出す
「삥(ッピン)」:自分の手札に自信がある場合、アンティ以上のチップを出す
「따블(タブル)」:自分の賭け金を2倍に増やす
「죽다(チュッタ)」:勝てないと判断し、ゲームを降りる
- 勝負:全員がコールを終えたら、残ったプレイヤーは手札を公開
- 配当:一番強い役を出したプレイヤーが勝利
- 親の交代:勝負に勝った人が次のゲームの親になり、次のゲームを始める
ソッタでは、このように手札の強さによって参加するか降りるかを決めます。しかし、ポーカーのように心理戦要素もあるため、経験者の中には強い役を持っているかのように演じて、ブラフを使う参加者もいます。手札の役が弱くても十分に勝てるチャンスがある点が、ソッタの面白いポイントです。
まとめ
韓国花札の「ソッタ」は、2枚の手札だけで役を作り、その強さを競うシンプルなカードゲームです。日本のおいちょかぶに似ていて、日本人にも理解しやすいルールが魅力。強い手札を引き当てて勝ちが確定した瞬間のワクワク感を一度味わったら、誰もが夢中になること間違いなしです。韓国ドラマや映画をきっかけに知った方も、実際にプレイしてみるとより深く楽しめます。友人や家族と集まったときに、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?