何気なく遊んでいるトランプカードにはそれぞれ意味があります。絵札のK(13)のキングは王様を意味し、Q(12)のクイーンは女王様を意味するのはお馴染みですよね。では、J(11)のジャックの意味や由来、身分などをご存知でしょうか。
今回は、トランプ「J」についてご紹介していきましょう。
トランプ「J」の意味・由来は?
トランプ11の「J」はジャックと呼びます。ジャックという言葉は、家来・召使い・船乗り・労働者などの意味があり、トランプのジャックの意味では、廷臣または兵士などを表わしています。
実はジャックは、当時イギリスで宮廷に仕える男の召使いを示す単語「ネイブ(Knave)」と呼ばれていました。しかし、トランプ製造者がネイブの別名「ジャック」を代わりに使おうと薦め、「J=ジャック」へと呼び名となったのが由来です。
ジャック「J」それぞれに秘められた意味とは
4つのトランプ マーク 意味はそれぞれ以下の通りがあります。
- ハート:愛
- ダイヤ:お金
- クローバー:学問
- スペード:死
カードそれぞれのジャックの顔の向きには秘められた意味があるんです。
ハートのジャック
ハートのジャックの目はしっかりハートに向けられており、若さゆえに愛に最も興味を持っているという意味があります。一方、キングやクイーンはジャックほど興味を示していないことがわかります。
ダイヤのジャック
ダイヤに向けられたジャックの目は、少し視線を逸らしています。お金を使うことや稼ぐことに少しは興味があるものの、愛程ではないのでしょう。それに比べて、キングの目はしっかりダイヤに向けられています。
クローバーのジャック
ハートやダイヤのようにジャックの目がそれぞれのマークへと向けられる中、クローバーは逆を向いています。勉強が好きではなく、あまり知的ではないことを意味します。若いこともあり、まだまだ遊びたいということでしょう。
スペードのジャック
スペードもクローバーと同じように、マークと反対を向いています。また、キングやクイーンも同様にマークから目を背けており、全員が死に対して恐怖を持っていることがわかります。
ジャックのモデル
トランプの絵柄は同じように見えますが、それぞれ別人でモデルになった人がいます。
ハート
ハートのジャックのモデルとなったのはシャルル7世の宮廷の従者でフランスの軍人のラハイヤ(ライール)です。本名はエティエンヌ・ステファン・ド・ヴィニョールで、百年戦争後期で活躍した人物でジャンヌ・ダルクの戦友でもあります。
ダイヤ
ダイヤのジャックは、へクトールがモデルとなっています。ギリシャ神話の戦士であり、トロイア戦争では、王子でありながら武勇にも優れトロイアの総大将を務めた人物です。
クローバー
クローバーのジャックは、湖の騎士と呼ばれ、アーサー王からの強い信頼を得ていたランスロットがモデルです。また、アーサー王の王妃と不義の恋をし、それにより円卓の騎士が分裂し、国が内乱に突入したことでも有名です。
スペード
スペードのジャックは、デンマークの元王子で、伝説の英雄として称えられるオジェ・ル・ダノワがモデルとなっています。短い剣のオジェとも呼ばれ、切っ先が欠けた聖剣「コルタン」を持っていたことでも知られています。
まとめ
キング、クイーンと同じように、ジャックのモデルとなった人物も興味深い人物ばかりでしたね。今回はトランプのジャックの意味や絵柄に着目してみましたが、古い起源をもつトランプカードだけに、数の謎や絵札の意味合いなど、探してみると、まだまだ多くの不思議が発見できるかもんしれません。